障害児を育てる親としての価値観と信念を教えてください|パパの場合

障害児を育てる親としての価値観と信念を教えてください|パパの場合
13+

マネージャことかいせいくんの父です。

障害児の親としてこれまで様々な経験をしてきました。このブログを通じて発信していければと考えているので他の記事などを合わせてお読みいただけると嬉しいです。

そんな中、このブログを見ていただいている方から以下のような問い合わせをいただきました。(今回の記事に関係する部分だけを抜粋しています)

これまで色々な決断をする時、子供に代わって行わざるを得ない状況が多くあったと思います。
そんな時、お二人はどのような価値観や信念でその決断をしてお互いを支えあえたのですか?

今日はこちらの質問にお答えした内容を書きたいと思います。

私の価値観と親としての信念ってなんだろう?

この質問をいただいた時はかなり悩みました。
なかなか考えることってないですよね。
当然ですが、子供が大変な状況のときはこんなことを考える余裕なんてありません。

今回の質問をいただいてから当時を振り返ってみたり、私自身を振り返ってみて改めて考えてみました。

価値観や信念は自分が意識しなくても自分のとる行動の指針になる内容です。
言葉や文字で表現できなくても誰もが持っているはずです。ですが、いざ聞かれると答えることができないので良い機会だと思ってまとめみました。

当然のことですが、これは私の価値観と信念です。皆さんにこのようになって欲しい!こうなるべきだ!とは全く思っていないので、こういう考え方もあるんだなぁ〜程度にお読みいただければ幸いです。

1.目の前で見ていることが事実

18トリソミーという今まで聞いたこともない病気の可能性を告げられてまず始めにすることといえば、「スマホを取り出してGoogleやYahooで検索する」ということではないでしょうか。

当然私もしました。

私は情報処理の業界で仕事をしていることもあるのでインターネット上に載る情報はどのようなものかを少しだけ皆さんよりも理解していたので、出てきた結果を100%信じることはありませんでした。

18トリソミーというような一般的には耳馴染みのない病気を検索すると、医学情報などの論文や統計がでてくることがあります。

論文の情報は出元を調べればわかりますが、病院の先生もこれらの情報を参考にしているのでインターネットで検索して出てきた結果と医師が言っている結果が同じになることは多くあります。

しかし、学術的な論文や統計は過去の結果に過ぎません。当然原因があり、結果がありますが、現時点で原因がわかっていない内容に対して結果は予測できません。実際18トリソミーに関しては、はっきりとした原因はわかっていません。

医学や医師などの仕事として業務を行う場合はこれらの情報や知識は必要ですが、私達は医師や医学者ではなく、親として子ども自身に目を向けて、目の前で起きていることを見てあげることが大切だと思っています。

インターネットの知識や論文・統計は参考、話のきっかけにはしますが、目の前の子どもを見て、ちょっとだけチャレンジして、進んでは戻りを繰り返しながら毎日過ごしています。

ですので周りや過去の情報に囚われることなく、目の前の自分の子供をしっかり見て、理解し、信じてあげることが重要であると考えています。

2.私達はかいせいくんの責任者と代弁者である

かいせいくんが産まれてから数時間後にはすぐに手術をしなければならない状況でした。

手術を する・しない

その後の経過の対応を 行う・行わない

多くの決断をする場面がありました。

その中で私がいつも思っていたことがあります。
それは、

親は責任者と代弁者であり、
主観的に当事者意識を持って
理解して方針を決定し、関係者を導く者
かいせいくんの最高の理解者であること

医療従事者は知識と技術を提供する者であり、
客観的に論理的に可能性と選択肢を与えるプロフェッショナルであること

ということです。子どもが産まれて大変な状況な時、自分自身で助けてあげることができたらと何度も思いました。
しかし、産まれてから数時間で医療知識や手術の技量を身につけることは絶対にできません。

ですのでかいせいくんに今何が起きているのか、どうしなければならないのかを
徹底的に理解するということをしてきました。

理解するというのは、他者に説明できる状態になるということです。

かいせいくんのおじいちゃんやおばあちゃん、親族や友達、仕事上の関係者、様々な場面で説明しなければなりません。
当然、聞く人たちは医療の「い」の字もわからない人たちばかりなので難しい話をしても理解できるはずもありません。

他者に説明するためには、自分自身で理解し、他人に対して分かりやすい言葉を使わなければなりません。

かいせいくんを理解してあげることは、最も大切だと思っていました。

状況を理解するためには必然的に、わからないことは聞く、理解できるまで説明してもらう必要があります。医師や医療チームには当たり前のことでも自分たちにとっては初めて聞くことでわからないことがあるのは当然です。

実際私は「わかるように説明しろ!」くらいの勢いで聞いていました。

具体例を出すと、「胃ろう増設術を行う」という説明を受けた時は全く意味がわかりませんでした。世界で例のない大手術を行うかのような

しかし、今振り返ってみると胃ろう増設というのは一般的な方法で事例どころか頻繁に行なわれている手術だとわかりました。当時私に説明している医師たちはおそらく「この人何熱くなってるんだろう?」と思ったかもしれません。ですがそれでも構わないのです。

わからないことはわからない。遠慮無く聞いて良いのです。別の手術で麻酔科医の先生と話した時にこんなことも言っていました。

「日本人の方は極端に質問が少ない傾向があります。海外だと遠慮無くわからないことはどんどん聞いてきますよ。どんな些細なことでも聞いてください」

そうなんですね、では・・・・

という感じで手術前の打ち合わせをしたことを覚えています。理解するためにはわからないことを聞く!

皆さんも子供の頃に耳にしたはずです。

聞くはいっときの恥、聞かぬは一生の恥

と、

言葉は知っているけど実行できている人はどのくらいいるでしょうか?

遠慮なんかいらないんです。自分の子供の命がかかってるんですよ。意味のないプライドは捨ててもなんのダメージもありません。

3.自分のしたいことはいつでもできる

男性であれば仕事を頑張って家族を支えなければ!と子育てや家族と一緒にいる時間を短くして仕事に明け暮れる日々をおくる方もいるかもしれません。

私の場合は仕事をかなり抑えました。そして現在も抑えています。
その理由を説明します。

かいせいくんの場合は1年以上も病院以外の世界を見たこともなく、家に帰れるかもわからない状態が続いていました。

一方で私自身は子供の頃から重い病気もせず、入院をしたことがないくらいに健康で病院とは無縁でした。(現在は運動不足で体力の衰えとお腹についた脂肪が心配です・・・)

これらのことから、私自身が突然の事故や病気にかかる確率よりも
かいせいくんが天使になってしまう確率のほうが高いと考えました。

旅行をしたい
美味しいものを食べたい
ゲームをしたい
映画をみたい
仕事を頑張って社会に貢献したい
ビジネスで成功をしたい

自分のやりたいことはたくさんあると思います。
子どもが産まれることでできなくなることがあります。
それが障害児であればなおさら諦めなければならないことがあります。

こんな人生じゃなかったのに・・・
もっと自分はこんなことがやりたかったのに。。。
悔しい思いをして諦める場面が多いと思います。

私はこう考えています。

すべてをやめる必要はありませんが先延ばしにすることはできます。

いつ一緒にいられなくなるかわからないので仕事に多くの時間を費やすのではなく、できるだけかいせいくんと一緒に過ごそうと決めています。

それでも、人生一度きりだから自分のしたいことをしたい!って思うときありませんか?

この話をするとこのように言われることもたまにあるので、この話をもう少し掘り下げてみましょう。先ほどあげた内容をもう一度見てみます。

旅行をしたい
美味しいものを食べたい
ゲームをしたい
映画をみたい
仕事を頑張って社会に貢献したい
ビジネスで成功をしたい

私の考えでは、これらのことは、「自分自身が努力すればいくらでもできる」と思っています。つまり、自分自身が行動することで全て実現可能な内容です。これっていつでも何歳になってもできるし、むしろ簡単だと思いませんか?自分が頑張れば良いだけの話ですよ。

ですが、

かいせいくんと一緒にいる。
家族と一緒にいる。

ということはどうでしょう?
自分自身がいくら努力しても、かいせいくんや家族の存在がいなければやりたくてもできないのです。つまり、今のこの状況は他の人がやりたい!と言ってもできない状況なのです。
望んでできる状況ではないです。これってすごく貴重なことだと思いませんか?

今自分にしか経験できないことに時間を費やす。

4.幸せは相対的なモノで、自分自身の捉え方が重要

手を動かした
笑った
泣いた
寝返りをうった

健康な子どもであれば産まれてからすぐに当たり前のようにできる事がかいせいくんの場合はそれができるまで長い時間がかかりました。

普通の子どもでも初めて笑ったり、寝返りをうったり、歩いたり、走ったりした場合は、「すごいね!」と感動して褒めますが、いつしかそれは当たり前のようになって感動しなくなります。

普通の子が当たり前のようにできることがかいせいくんはできません。
周りから見たら不便でかわいそうで不自由な生活を送っているように見えるかもしれません。

しかし、事実不便な状態であっても毎日愛おしく、かわいい存在であることには変わりません。私達は楽しく幸せに過ごしています。

他人や他の子と比べるよりも、自分たちがどう捉えて過ごすかのほうが重要だと考えています。幸せは探すモノではなく、見つけるモノだと思っています。

絶対的な尺度で幸福度は測れません。
あなたがどう思うかという相対的な尺度で決まります。自分が納得すればそれで良いのです。

まとめ|パパの価値観と信念

1.目の前で見ていることが事実

2.私達はかいせいくんの責任者と代弁者である

3.自分のしたいことはいつでもできる

4.幸せは相対的なモノで、自分自身の捉え方が重要

この記事で紹介したのは、パパの事を書いています。別の記事でママの内容についても書くかもしれませんのでお楽しみに

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